今回ご紹介するのは、藤原純友の乱です。
平安時代と言えば武士が登場した時代ですが、平将門や藤原純友らはそんな初期の武士を代表する人物です。
藤原純友はなぜ反乱を起こすに至ったのか、その真相に迫ります。
今回はそのほかにも、
- 藤原純友の乱の語呂合わせでの覚え方
- 藤原純友の子孫や、彼を祀った神社
- 藤原純友が主人公となった小説
についても言及しているので、ご注目ください!
藤原純友の乱をわかりやすく解説!
藤原純友の乱は、939年から始まった瀬戸内海での戦いです。
藤原純友は、藤原北家の出でしたが父を早くに失って都での出世が望めなくなり、地方へ任官しました。
当時瀬戸内海では海賊が暴れており、彼はその平定に向かったのです。
そこで彼は同じく地方任官していた人々と独自の勢力を作り上げ、京都からの派遣役人である受領たちと対立してしまい、蜂起に至りました。
彼は瀬戸内海を荒らし回りますが、最終的には博多湾における激戦を経て鎮圧されます。
純友自身は伊予(現在の愛媛県)まで逃れますが、その地で捕らえられました。
朝廷軍としてこの反乱の鎮圧を担ったのは、小野好古と源経基という人物でした。
ほぼ同時期に、関東では平将門の乱が起きており、官軍はこの関東での反乱を先に鎮圧できたことで、瀬戸内海に大軍を送り込むことができたのです。
なお、平将門の乱と藤原純友の乱を合わせて、承平天慶の乱と呼びます。
次に、藤原純友の乱が起きた場所と年を見ていきます。
場所
舞台となったのは瀬戸内海沿岸の諸地域です。
彼が拠点としたのは伊予国の日振島というところであり、ここで1000艘ほどの船を組織していたと言われています。
年号
純友が襲撃を開始したのが939年であり、平将門の乱が鎮圧されて朝廷の兵力が増したのが940年、この反乱が終結したのが941年のことです。
次の章では、藤原純友の乱の語呂合わせでの覚え方をご紹介します!
語呂合わせ
藤原純友の乱の主導者および鎮圧に関わった人物を、語呂合わせで覚える方法をご紹介します!
Oh! No! 古いよ! 住友ケーキ
(東海林直人のゴロテマ日本史 藤原純友の乱の覚え方◇B古代90 )
「Oh、No、古」が小野好古を、「住友」が藤原純友を、そして「ケーキ」が「経基」つまり源経基を、それぞれ表しています。
ただ、「藤原住友」とならないよう注意してください!
次に、藤原純友の子孫について言及していきます。
藤原純友の子孫
純友には4人の息子がいたとされており、彼の血統は以後も受け継がれていきました。
彼の血筋は、キリシタン大名である有馬晴信や大村純忠らを輩出した有馬氏や大村氏に繋がったと言われていますが、確かなことは分かっていないようです。
また、純友が藤原氏の血筋ではないという説も唱えられています。
もとは豪族の越智氏の一族であり、藤原良範の養子に入った、と言われているのです。
次の章では、藤原純友を祀っている神社について見ていきます。
藤原純友を祀っている神社
純友を祀っている神社として、岡山県倉敷市の松島というところにある、純友神社があります。
この松島には、2010年現在この神社の維持管理にあたっている3人しか暮らしていないようです。
小規模なお宮ですが、センダイロクという太鼓台や、かつてあったとされている大丸城の跡などもあります。
倉敷市の下津井港から渡船を使って10分ほどで行けるようですので、機会があれば是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。
次に、藤原純友が主人公となった小説について見ていきます!
藤原純友が主人公の小説
藤原純友が主人公である小説について、2作品ご紹介します。
まずは『絶海にあらず』(北方謙三、2008年、中央公論新社)です。
純友の人間関係を細やかに描き出した作品となっています。
もう一つは『海と風と虹と』(海音寺潮五郎、1968年、角川文庫)です。
こちらは現在絶版となっています。
かなり昔の著作ですが、純友が藤原良範の養子に入ったという設定など、当時の新たな学説を取り入れた作品となっています。
この作品を原作の一つとして、1976年にはNHKの大河ドラマ『風と雲と虹と』が作られました。
まとめ
いかがでしょうか。
それでは、もう一度藤原純友の乱について振り返ってみましょう。
藤原純友の乱は、939年に瀬戸内海で始まった、藤原純友ら地方任官された人々と朝廷との戦いです。
同時期に関東で起こっていた平将門の乱と合わせて承平天慶の乱と呼ばれること戦いは、小野好古や源経基らによって941年に鎮圧されました。
この藤原純友の乱を語呂合わせで覚える方法は、「Oh! No! 古いよ! 住友ケーキ」でしたね。
藤原純友の子孫としては、キリシタン大名を輩出した有馬氏や大村氏が挙げられることがありますが、詳しくは分かっていません。
藤原純友を祀った神社としては、岡山県倉敷市の純友神社があります。
また、彼を主人公とした小説としては『絶海にあらず』や『海と風と虹と』などがありましたね。
是非一度彼の歩みを見直してみてください!